ドル円の見通し
異常なほどに値幅の出ない、膠着状態が続いているドル円だが、その膠着が長引くほどパワーが溜められ、後の爆発力の源泉となる。
国内のFX業者の統計によると、日本人個人投資家のポジションはドル円ショートに偏っているらしい。一方、海外FX業者のポジションをみると、海外個人投資家はドル円ロングに偏っているようだ。
そして、シカゴIMMポジションをみると欧米機関投資家のそれは円ショート(ドル円ロング)が10万枚積み上がっている。
つまり、【日本個人投資家】(ドル円売り) vs 【海外個人投資家+機関投資家】(ドル円買い)の構図である。
とっくの昔から言われている「日本人は逆張りがお好き」を地でいく恰好だ。
”お決まりのパターン”で言えば、日本の個人投資家のポジションを狩ってからその方向に向かう、
とどのつまり、「151円ないし152円に上がってから(日本個人投資家のポジションをロスカットさせてから)、140円ないし130円の円高にいく」というのがありそうなパターンである。
注目の日銀政策。日本人の逆襲なる?
現在もっとも注目されているのは、来週10/30-31にある日銀政策決定会合において、政策の転換や変更・変化はあるのか?という点である。
植田総裁の報道や、財務省の発言をみると変更への地ならしをしているようにも感じる。
この1年の中央銀行のイベントをみていると、日銀イベントにおいてはマーケットの反応が初動対応で間違えていることが多いような気がする。つまり、欧米人は日本語で発言する植田総裁のニュアンスまでは理解できないので、初期反応においてタイムラグないしカンチガイが生じやすいのではないか。
ドル円のトレンドは誰がみても上昇トレンドであり、JPモルガンのレポートではターゲットは155円である。ふつうに考えればそうだろう。
しかし、日本で暮らしているぼくらからすると、ただでさえキツイ物価上昇に対して足元の円安水準がさらにそれをかさ上げしているというのが肌感覚である。そしておそらく本邦当局ないし日本政府も(ある程度は)その認識はあり「150円から上にはいかせない」という気概も感じる。
岸田首相は、増税メガネと言われているのを気にしており、所得減税と給付案のとりまとめを指示した。日銀の独立性など建前よろしく、政府の指示で日銀政策を変更してくる可能性も考えられる。解散総選挙が年内にあるかはわからないが、選挙を睨んでということもあり得る。選挙時に”いきすぎた円安”がある程度緩和されていて、コストプッシュインフレに少しでも歯止めがかかっていれば与党にとっては好都合だろう。
そういった事柄を勘案すると、発表直後の初動や、もしくは地政学リスクなど何かしらの別の要因で瞬間的に151円や152円はありえるが、そのような円安方向へのバッファよりも、円高方向へのバッファの方が値幅も多く、確率的にも高いのではないか。
要するに、今回は日本人個人投資家のポジション(円高方向へのベット)が報われるのではないだろうか。
トレードアイデア
さて、実際のトレードにおいてはドル円よりもそれ以外の通貨ペアを取引している。
ドル円は150円手前で大口の決済かわからないが、数十pips下がることが何回もあり、149.90台ではもちろんロングできず、前日高値を超えてそれが続かずダマシになった場合にスキャルショートでポチポチやったくらいである。
現状は、昨日のNY時間から少し下落しており、今度は逆に、前日安値割れがダマシになったところからのスキャルロングで取った。
ドル円に関してはそのくらいしかできない。つまり、任意のボックスでとらえてその上下限からのスキャル逆張りである。
そして、前回も書いたように、ドルストレートが底打ちして上昇してきている。一旦底打ちしてからの2回目の上昇なので本格的な上昇に発展しやすい状況だ。ついにドルインデックスが反転してくるかもしれない。
BondoSignal(ボンドシグナル)1時間足チャート
10/10(火)の買いシグナルは最大+104pipsの利益。
現在は、10/24(火)午前4時に確定した売りシグナル中。
(画像クリックで拡大できます)
10/24(火)の主な指標
15:00 英・失業率、平均所得、失業保険申請件数
16:30 独・製造業&サービス業PMI 速報値
17:00 欧・製造業&サービス業PMI 速報値
17:30 英・製造業&サービス業PMI 速報値