ドル円の見通し
これを書いている間に、今日はゴトー日ということもあり、昨日の高値142.00を上抜けている。仲値を過ぎても142円台を維持できるか?
そうすると、かねてからの目標142.50がもう間近にせまっている。テクニカル的にもファンダメンタルズ的にもドル円は上方向にしか見えないのだが、「142.50(フィボ61.8%)あたりが上値のいいところなのでは」と以前から書いてきた。
では、142.50を突破した場合の上値メドはどのように考えればよいか?もちろん同じようにフィボナッチの78.6%や、N計算値を用いても具体的な価格帯の目安は導き出せるが、少し違う角度から分析してみよう。
日銀が6/9に発表した「日銀レビュー」によると、2022年のFX個人投資家による取引高が過去最高の1京円を超えたそうだ。なぜかというと、空前の円安トレンドの発生によりイナゴの大群が群がったからである。それによりドル円は152円どころまで上昇した。
140円よりも上の価格帯別出来高をみると、POC(ポイントオブコントロール=売買出来高がもっとも多かった価格帯)が144円どころである。そして、それより上の価格帯でつかまっている買い手が非常に多い。
相場はPOCに引き寄せられる性質があるから、142.50をクリアブレイクすれば、144円まで上昇する可能性がある。
しかし大事なのはここからで、現状のドル円はまた高値に向かって上昇しているように見えるが、2022年の勢いはない。おそらく去年の過去最高の売買高を超えるのは難しいだろう。となると、144円よりも上に上昇するのは困難ということになる。144円で売り買いが拮抗しているということは、まずそこが強力なレジスタンスとなるからだ。そして、144円よりも上でつかまっている買い方は、どこかのタイミングで損切をせざるをえないだろう。当然、買い手の損切は売り圧力になるから上値は抑えられ、時間経過とともにチャートは反落することになる。そのポイントが144円~145円のエリアとみている。
今回は取引高(ボリューム)の観点から上値メドを探ってみたがどうだろうか?
もうひとつ補足すると、去年のドル円が(素人)個人投資家からフォーカスされたように、同じように今後の素人個人投資家の興味は、日本株に向いていくだろう。つまり、もう主役はドル円にはまわってこない=売買代金は増えない。33000円台まで上がってきた日経平均(日経225)だが、まだ市井の人々の買いは入ってきていない。投資商品というのは、いつだってシロウトの資金が入り出してからが一番上がるのだ(上昇5波動目)。そして盛り上がっているうちにプロはこっそり売り抜けていき、気づいたときには下落が始まっているのが常である。つまり、まだその手前にいる日経は、まだまだ上がる余地があるということだ。
ちょっとコラムめいてしまったが、現状のドル円は反落の兆しはみえない。チャートが変化しない限り(またはファンダが変化しない限り)押し目買いを徹底するしかない。
昨日は一番浅い押し目サポートと書いた141.50からの押し目買いがワークした。
今日のサポート1は141.80。そのちょい下に141.50がある。サポート帯といっていいだろう。このサポート帯が割れてくると、1時間足ではチャートの形が変化してくるので、140.90までの下落があってもおかしくはない。
BondoSignal(ボンドシグナル)1時間足チャート
買いシグナル継続中。
6/20(火)の主な指標
10:30 豪中銀(RBA)議事要旨
15:00 独・5月生産者物価指数
15:00 スイス・5月貿易収支
17:00 ユーロ圏・4月経常収支
19:30 ブラード・セントルイス連銀総裁 講演
21:00 メキシコ・4月小売売上高
21:30 米・5月住宅着工件数/建設許可件数
00:45 ウィリアムズ・NY連銀総裁 / バー・FRB副議長 会議出席