マーケットにおけるもっとも有名なタイムサイクルで、ゆえに信頼性が高いといわれているのが、ドル円の8年周期だろう。およそ8年ごとに主要な高値をつけているのである。
360円の固定相場制から変動相場制に移行してから換算すると、
・1982年10月:278円(起点:変動相場制移行からの戻り高値)
・1990年4月:160.35円(7年6カ月ぶり高値)
・1998年8月:147.63円(8年4カ月ぶり高値)
・2007年6月:122.64円(8年10カ月ぶり高値)
・2015年6月:125.81円(8年1カ月ぶり高値)
これによると高値をつけそうなのは2023年である。
しかし直近の高値は
・2022年10月:151.95円(7年4カ月ぶり高値)←歴史上もっとも短い。ただし1990年の高値とわずか2ヶ月違いではある。
仮にここから高値更新があるのであれば、
・2023年11月~2024年5月:?円(8年5カ月~8年11カ月ぶり高値?)
今月151.95円を超えて高値をつければ8年5カ月ぶり高値となる。頃合いとしてはちょうどいい。めいっぱいで2024年5月となる。
要するに、ドル円8年サイクルによれば、高値をつけて折り返すのは時間の問題だということだ。
ただ、気になるのは、これまでの8年サイクルというのは、変動相場制に移行してから円高の歴史の上に築かれてきたものである。
現在はすでに円高トレンドは2011年の75円台をもって終了し、円安の歴史が始まっている可能性が高い。従って、8年サイクルが崩れる可能性もゼロではない、ということはアタマの片隅に入れておきたい。